一週間前に幌尻山荘のページを見ると、14日にちょうど1名の空きがあり、早速申し込んだ。前年末から予約を受け付けているが直前にちょくちょくキャンセルが出るようだ。

幌尻岳
(2023.8.14〜15)

　朝に美瑛の青い池に寄ったのが間違いだった。10時40分の最終シャトルバスを予約していたが、カーナビの予想到着時刻は12時半ととんでもない時刻を示している（このカーナビの時刻は全く信用できないことがあとでわかった）。
　そこからは無理のない程度に車を飛ばし、とよぬか山荘へ向かう。幸い渋滞もなく前に遅い車がゆっくり走るということもなかった。農作業の軽トラや大型トラックが前に来たときはやばいかと思ったが、こちらのトラックは高速道路を走っているかのように飛ばし、むしろ何とかついていったという感じだった。
　コンビニに寄る予定もパスし、出発10分前にやっと着いて急いで手続きをしてついでにカップうどんを買った。バスに乗ったのは一人だけだったが、45分後に終点に着くと帰りの人が何人も待っていた。
　ここから8kmの長い林道を歩く。ようやく取水口にたどり着き、カップうどんを食べる。ここからは登山道歩き。しばらく歩くと最初の渡渉地点に着いた。ここで地下足袋に履き替え。わらじも用意したが、少しつけて歩くと滑りそうな感じはなかったので外す。
　渡渉はほとんどひざ下までで深くてひざ上だったので、水量が少なめのときだったのだろう。一か所水あかのついた石に乗ってしまってしりもちをつき、濡れてしまった。
　ようやく幌尻山荘に着き、管理人に迎えられる。大勢の人が周りにいたが、一人を除いてみな本日登って降りてきた人らしい。濡れたジャージなどを脱いで着替え、汗を落としてさっぱりしてから山荘に入る。コロナのためにゆったりとした間隔で過ごせそうだ。隣は1本前のバスで来て翌日登る方だった。
　表に出ると隣の方が3人と話しておられ、その輪に少し加わった。3人は朝いちのバスで来て9時から登ってとても暑かったとのこと。お一人はこれで百名山目で、おめでとうございます。
　ここから周回コースを通ると山荘に帰ってくるまで9時間強のコースタイムということだが、朝早くはヒグマが怖いですよと言われ、夜明け後に出発することにした。隣の方はもう一泊するので朝遅めに出ますとのこと。夕方になったので食事を作って食べ、部屋に入る。
　室内は暖かく寝袋は毛布として使っただけだった。夜は少しガスがかかっている感じで、ガスの隙間からは星空が覗いていた。

　朝起きて食事をし、必要なものだけ持って5時に出発。水は1.5Lあれば足りるだろう。
　朝早いのでまだ涼しく、荷物も軽いのでスイスイと上れる。1時間少し歩くと命の水に着き、手と顔を洗って冷やす。またどんどんと上っていくとやがてカールの見えるところに着いた。ハイマツ帯をしばらく歩くとお花畑が出てきた。ここもとてもきれいだ。
　お花畑を過ぎて新冠分岐を越えると間もなく頂上。上には二岐沢コースから来た方が2人おられた。看板の木にはやっかいな虫がびっしりついている。ほぼ快晴のなか景色を堪能し、北に向けて出発。
　幌尻の肩まで来ると、お目当ての七つ沼カールが見えてきた。沼の水はかなり干上がっているがきれいな景色だ。写真を撮りどんどん降りる。七つ沼へ行く分岐が出てきたが、ヒグマが多いそうなのでパス。
　ここからは二岐沢コースから来た人と何人もすれ違う。皆若い人だ。次は戸蔦別岳。振り返ると七つ沼カールと幌尻岳がきれいだ。山頂に上がりお茶にする。湯を沸かしてコーヒーと菓子を食べた。
　幌尻山荘分岐までやってきた。バスは17時なので13時に山荘を出れば余裕で間に合う。山荘に降りるにはまだ早いので、北戸蔦別岳まで行くことにした。
　これは正解だった。中間点を過ぎて上りにかかると、見事なお花畑が出てきた。山頂まで行ってから引き返す。途中で幌尻岳山頂で会った方とすれ違う。いえ、時間に余裕があったので北戸蔦別岳まで往復してきました。自分より年長そうなのはこの方だけだった。
　分岐に戻り、急な道をどんどん降りていく。ハイペースだったためか、沢に着くころには少し疲労を感じたのでここで休憩。コーヒーを飲みご飯に湯を入れておく。　
　地下足袋に履き替え、渡渉を交えながら下りて幌尻山荘に着いた。昼食を食べ、倉庫に置いた荷物を取ってまとめ、管理人さんたちにあいさつして出発。

　またここからは渡渉の連続だ。どんどん越え、最後の渡渉を終わったところで靴に履き替え、下半分濡れたジャージも脱ぎ下山後のズボンに穿き替えた。
　取水口からはまたつまらない林道歩きが延々。来るときは結構しんどかったが、下り勾配が多いので帰りはそれほどでもなかった。疲れているので汗をかかないゆっくり目のペースで歩き、第二ゲートバス停に戻った。
　今日も1人だけかと思ったが、日帰りの2名と縦走してきた1名が下りてきて計4名でとよぬか山荘まで帰った。でも日帰り往復だと七つ沼カールが見えないので少し残念なのではないかと感じた。